地誌輪読会 1月の課外研修 小田原の満福寺で修験道の火渡り修行

投稿日
執筆者
斎藤裕仁
掲載元
ミニだより118号

2026年1月28日(水)

密教寺院で修験道の儀式。

小田原市の満福寺で1月28日、その伝統儀式である山伏(修験者)による「火伏まつり・火渡り修行」を見学した。

満福寺は鎌倉時代の建長6年(1254)に創建された東寺真言宗の古刹。不動明王とされる勝敵不動尊を祀る。真言密教の本尊は大日如来。この化身とされる不動明王を信仰する修験道は、密教との結びつきが深く、満福寺でも修験道の伝統儀式が受け継がれてきた。

この日は、その年最初の不動尊の縁日に当たる「初不動」。境内に薪を組み上げて護摩(ごま)を焚き、十数人の山伏が真言(呪文)を唱えて火伏せ(火難除け)、厄除け、家内安全などを祈る。今年は曇天で生憎の寒い日となったが、会場は燃え上がる炎に向かって願文を書いた木札を投げ込む、多くの善男善女が熱気に溢れていた。炎が収まって熾火(おきび)になると、山伏が次々にその上を素足で渡る火渡りを行った。これは不動明王の力を体で体験する修行とされ、関東各地から山伏が参集する。近世までは盛んだった行事だが、神奈川県内の真言宗寺院で伝承されているのは満福寺だけという。

火伏まつりに先立って、本堂で新しい年の無事や息災を不動明王に祈る護摩祈祷(初不動)が行われた。護摩壇の炎を囲む僧と山伏が唱える真言、手鈴杖を振って鳴らすシャクシャクという音、リズミカルな太鼓の響き—一宗教儀式が醸すちょっと神秘的な空気を味わった。

火伏まつり・火渡り修行
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