アツ、“大山” の山頂が光った!

投稿日
執筆者
畠山正樹
掲載元
ミニだより120号

私は今、辻堂駅から歩いて約10分の湘南中央病院の4階のベッドの上に居ます。

こうなった原因は、6月中旬の午後、散歩中にふとした不注意で前方に四つん這いになって転倒してしまったことでした。自分では立ち上がれなかったのですが、近所の方が救急車を呼んでくださったお陰で、この病院に運ばれて来たのです。検査の結果は“大腿骨骨折”という事でした。

それから早くも3ヶ月が過ぎ去ろうとしているのですが、漸く、両足を地面に着いて全体重を掛けて歩く訓練が出来るようになったところです。何故ならば、この間に血尿が出たために藤沢市民病院に転院して10日間の治療を受けるという想定外のことが有ったためです。

私の部屋は4階にあり、窓際のベッドであったことは幸せでした。天気が良ければ “富士山の裾野” が見えるのですが、頂上はマンションに邪魔されて見えません。もう一つは“大山”が見えることです。こちらはビルの屋上の上に八割方の山容が見えるのです。これが大山だと教えてくれたのは、毎朝、掃除に来てくれるオバサンです。ボンヤリとしていた私に、あの山は“大山”ですよ。今日は、霞んでいてよく分かりませんが、冬になるとクッキリとして、もっと近くに見えるのです。と言われたのです。

“大山”と聞いて思い出すのは、一度だけでしたが頂上まで登った時のことです。もう、15年以上も前のことでしたが、大学の同窓会のハイキング部の誘いに乗って30名以上の男女が参加したのでした。12月の初旬でしたが、季節は冬に入っていました。伊勢原駅に集合して、バスに乗って蓑毛で下りました。ここから、横に数百メートル移動したところに、登山口があって山道に入って行きました。この時の天気は曇りで風もありませんでした。この山は、三角形なので、途中、平坦な部分も無いので、ひたすら、下を向いて登るという過酷な山でもありました。その代わり、次第に頂上に近付いていることを感じながら歩くのですが、雪がチラついていると思ったのですが、間もなく本降りとなって来たのです。頂上の阿夫利神社・上社に着いた時は本格的な大雪が降っていたのです。お参りをして、取り出したおにぎりの上には、見る見る内に雪が積もっていて、食べ終わるとお腹が冷えて来たのです。汗をかいて登って来た体は、ブルブルと寒さに震えたのでした。短い時間でしたが、地面にもしっかりと雪が積もっていました。

帰りの下り道も危険でした。真っ白になった下り坂では、あちこちで、ドスン、ドスン、ドスン。ドスン。と聞こえてくるのです。沢山の尻餅をつく音が絶えないのです。湘南で育った人々には雪道は慣れていないのです。30分以上が過ぎたころには、山道の雪は無くなって元通りの笑い声が聞こえてくるようになりました。山頂に厚い雪雲が懸かっていたという事で、それから下は曇り空だったのでした。

阿夫利神社・下社の辺りで休憩した後、全員が無事に下山してきたのです。両側に明るい照明を付けたお土産屋が立ち並ぶところを過ぎって、大山のバス停付近に着いた時は真っ暗でした。

全員が無事に下山して揃ったことを確認した幹事が、導いてくれたのは、湯豆腐屋でした。お店の名前は憶えていませんが、冷え切った体には最高のご馳走でした。熱燗とお鍋。この部屋の盛り上がりは滅多に見られるものではありませんでした。

最高!最高!の夜でした。大山よ、有難う。

今年の夏は、各地で気温が上がり、連日のように『熱中症に注意』が呼びかけられたのですが、一方では、カラッと晴れた日も多くはありません。私のベッドからも格好のいい“大山”はほとんど見られませんでした。でも、8月のお盆が過ぎた日の、午後4時頃に“大山”の山頂でピカッと光ったのが見えたのです。時間にしたら、1~2秒でした。光の加減でしょう。私は、“大山”山頂の阿夫利神社・上社の屋根が太陽光を浴びて光ったものと信じています。

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